と、捉えるよりないかな、というのがジェフ戦の感想。
負けたゲーム、殊にそれが大事なゲームで、かつ逆転負けとくれば、それはチームの現状に対して批判的になっても仕方がない部分はあるかと。 ただ一方で、今のチームに対する評価の基準をどこに置くのか、というのは、やっぱ考えなきゃいけないところでもあるのだろうとも思うわけで。 フォーメーション的な問題、選手交代を含めた采配面、選手のプレーの質など、どこが良かったのか、あるいは悪かったのか、というのを判断するにあたって、その観点については、やっぱりシーズン当初から見てきているわけだから、それぞれの段階を踏まえた上で比較して、良く知っているはずの選手達の現在地について「あれも出来てない、これも出来てない」という減点していく形での評価は、率直に言えばフェアじゃないかな、と思えるのでちょっと差し控えてしまうところがあるんだな、と自分では思う。 もっと砕けて言えば、シーズン頭に昇格の可能性であるとか、あるいは昇格争いに終盤まで絡むであるとか、そういうシーズンを期待はしても、信じてはいなかったな、という自分に対して省みるところがあるからで。 ゲームを見ながら選手個別に「出来が悪い」とか、「期待以下である」とか、「伸び悩んでる」とか、そう感じる事はある。率直にそれはあるけれども、じゃあ一方で「そうは言うけど、現状のプレーをシーズン当初の段階で期待していたか、予想していたか」と自分に問う部分があって、疲労の部分、戦いながらもがいてる部分、脱皮しようと試行錯誤しているであろう部分を無視して「ダメだ」と選手や監督を切ってしまうことは、それはやっぱこう、卑怯な感じがしてしまうわけだ。 プロは結果がすべてと、少なくとも選手達はそれを肝に銘じてやってるであろうと(サポーター個人としての僕はそうは思ってないとしても)。ただ相手のある戦いなのだから、現状の目一杯が通じないことだってある。失敗も、ミスも、間違いもある。あると認めた上で、それはそれで成長の糧とする他はなく、そうした「糧」を許容する事が出来るかどうかは、実はサポーターもシーズン当初には己に問うていた部分ではなかろうか、とも思うわけで。 してみるとこのジェフ戦というのは、ある意味で自分達なりの戦いをやり、通用した部分と通用しなかった部分があり、やっぱり通用していなかった部分、それはひょっとしたらシーズン前から潜在的に抱えていたかも知れない部分において足りていなかったとするならば、ぶっちゃけてしまえば「しょうがない」と受け入れる以外に何かあるんだろうか?と思ってしまったわけだ。 前半、少し飛ばしているかな、と思えた。先制した形は、ある意味で今シーズン磨いてきたスタイルをストレートに出せた。文句を言わせない形でゴールを奪った。そこは十分な評価をされて然るべきだと思う。けれども、ハーフタイムにちょっと嫌な感じがしていたのも事実で、「バランスが悪いな。最後まで持つかな」というところがあった。攻勢を押さえ込む一方で、ジェフの、特に最終ラインとボランチは経験も豊富で技術もあるタフな面子であり、特に両サイドバックに対するケアによる中盤への負荷は非常に大きかったのがハッキリしていたからで。さらに選手のコンディションにも不安感があり、結局、2列目を総取っ替えするしか采配の手がなかったのも現実だと思う。 後半、長めのボールをシンプルかつ積極的に使い、詰められてもサイドチェンジをしながら、球際を強くセカンドボールに執着するスタイルでジェフは押し上げてきた。J2にはそういうチームがいくらもあるし、それが珍しいわけでもないけれど、そこでキープする力、個で押し上げる力では、確かに優位な部分があって、体力勝負に持ち込まれてしまった時にヴェルディの苦しい部分が露呈したとも言える。ジェフのシュート数が多かったわけでもないし、失点シーンはトリックをまぜたセットプレーからと個人技によるミドル。ただそれをあの場面で「出す」力があるところに、つまり選手の経験とクオリティの差があるんだろうと思う(ただそのクオリティを集約して出す力があれば、ジェフはもっと有利な立場でシーズンを過ごせたはずだとも思うが)。 必然の負けとまでは思わないし、もう少し運があれば、と思う部分もないではない。が、一方で後半になってもミスを極力出さなかったジェフの守備中央ブロックに対して抗するほどの個力が出せなかったのも事実で、そこは本当に采配や選手の配置で対抗できたかと言えば、正直、疑問符が付く。 確かに「べき論」を積み上げていく、ないし色んな希望的観測を加える事も可能だろうけれど、「もっと出来るはずだ」という言葉を言おうとすると、「本当にそこまで期待してたか?」という反問も返ってくる。そういう意味で、今シーズンの選手達は、僕の予想以上の戦いをしてくれたと思っている。 満足もしていないし、残念でないとも思わないし、厳しい言葉を言いたい思いもたくさんあるにせよ、少なくともこの内容と結果を許容する事は出来る。 ただ、もっと限界を引き上げる事は十分に可能だと断言できるし、そうしたトレーニングをしていくためには、選手の努力や監督の努力だけでは、やっぱり不足してるのかな。環境やスタッフも含めて、もう少し工夫して整えてあげる事は出来るんじゃないかな、などとぼんやり試合後に思ったりもした。 たくさんのお客さんが見に来てくれて、この試合のヴェルディをどう評価してくれたかも分からないけれど、前半、得点が入ったあの瞬間の興奮とか、負けた時のあの悔しさとか、それでも「頑張れ」と声をかけてやりたくなる気持ちとか、そういうものを少しでも共有できた人がいたとしたら、それはひとつの、チームとしての、クラブとしての小さな前進であろうと。 とりあえず、数字上の可能性は残っているので、そこをモチベーションに最後までやり切って欲しいと思う。
by eixeix
| 2010-11-16 00:00
| サッカーとか。
|
ランド日記
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