暑い日曜の午後
というタイトルを文字面で見ると、なぜか涼しげ。偉大なり日本語。

どういうつもりか、まあその唾棄すべき理由については想像がつくにせよ、9月半ばに残暑厳しき東京で、13時キックオフという試合設定をしてくれるJリーグ様の馬鹿さ加減にはウンザリする。まさしく「アリエナイ瞬間」とやらだ。ただでさえ日程の厳しいJ2での、それも終盤戦だ。選手とて人間なのである。試合相手のみならず、疲労や故障やお粗末なジャッジとも戦いながら、お天道様すら敵に回せと言うのか。試合のクオリティを云々する以前の問題だ。商業主義優先が問題なのではない。その結果として生まれる、共感や想像力の欠如こそが問題なのだ。日本に限った話ではない。

まあいいや。それでも勝ったから。負けた福岡こそ気の毒だ。

試合内容について。
センターバックのレギュラー2人を欠きつつ、高木を中心に良く守り勝ったゲーム、と見て良いと思う。前半から福岡のアレックス、リンコンあたりを上手く抑えられない場面はあったが、そこも含めて、やはり4バックにおける萩村の機動性の問題と、サイドバックとの守備バランスの問題は若干あったように思う。ラインのギャップを突かれてGKと1対1になるような局面が前半だけで少なくとも3度あったが、いずれも高木がストップ。流れを呼んだ一因だろう。
一方で、映像レベルで見たほどには、現場の感じでは、福岡から圧力を感じなかった。ハッキリ言えば、福岡の統一感の欠如はかなりツライ感じのもので、必要なところでズレている、全員で集中すべきところでミスが出る、という流れが最後まであった。「ここにもう一枚」「ここでもう一走り」「ここでもう1歩ファイト」という感じがない。それは前節の湘南から受けた印象とは、明らかに対照的である。
そんなわけで、序盤、押される展開になりながらも「まあ30分まで0点に抑えれば、どうにかなるな」と思っていたら、ホントに30分ぐらいに、良い流れからPKを得る。
菅原のディフェンスから中盤でボールを奪う→佐藤を経由して右オープンへ→呼応して走った廣山が開いて受けて中→ディエゴ、フッキによるタメ→今度は中央に進出した佐藤とのパス交換で廣山がPAへ
というのは、少なくともこの布陣にした狙い通りの攻撃だったと言って良いだろう。戦術・システムとは、つまり個人が能力を発揮するための空間的・時間的余裕を確保するために、その配置ならびに運動とその連携の妥当性を担保する仕組みに他ならないわけだから(マジで??)、あの形がチャンスになるのは、ある意味で当たり前なわけだが。で、こいつで得たPKをフッキがドスンとぶち込んで、そこからは暑さに合わせて適当に流しつつ、後半開始頭にフッキが直接FKをもねじ込んで(福岡の壁がどういう理由で飛ばなかったかは知る由もないが、想像するに、やはりフッキの弾丸FKを警戒して、足下や壁横を抜かれるのを嫌ったのかも知れない。単なる集中力の欠如、という可能性も高いが)、ほぼ勝負あり。
そこからカウンターから散々決定機を作った物の、決めきれなかったのは誤算だが、個人的には残り5分か10分ぐらいには、ゴール裏の上の方で座って明太子マヨおにぎりを2個食えるぐらいの余裕があった。なのでシウバがあれを外した時は、リアルで米粒噴いた。まあ、フリーでドリブル始めた瞬間に目が泳いでたので、去年の事を想像すると、微妙に外す予感はしていたが。
もすこし個人について。
飯尾がぼちぼちと今のポジションに適正化されつつあるなと。この試合に限っても、福岡の右サイドで驚異的なスピードを発揮する田中を見張り、服部が真正面からアタックを受ける局面を抑制したことで、タスクの半分はこなせたと思う。飯尾の運動量低下と、双方の選手交代に伴って福岡の右サイドが活性化したのは、偶然ではないだろう。ラモスが飯尾を下げて金澤を投入しながら、さらに佐藤まで下げて金澤を左の高めに置いたのは、それなりの理由があると見るべき。アタックに物足りなさが残るという意見もあるだろうが、それでも一度見せた惜しいシュートや、また積極的なボールの引き出しがあったことは好材料と見る。特にシウバのあからさまなコンディション不良と比較すると、飯尾にかかる比重は小さくない。
シウバはシウバで、まあ、ね。でもここで試してチームにフィットさせておかないと、やっぱり終盤に駒不足になる可能性はある。フッキの負傷やディエゴのカード累積という問題は、小さいファクターではないからだ。
ボランチ佐藤について言うと、サイドチェンジなどにおけるボールの質は高い。良いキックだ。しかし「それ以上」の何かが乏しい感じはする。中央でプレーするには、ややボールの持ち方が軽い印象は否めないし、同時に左サイドに顔を出したときの方が決定的な仕事が出来る印象も逆の意味で惜しいと感じさせる。特に途中交代で入った大野が、短い時間ながらゲームを納めるプレー、つまりキープと展開、またプレスを受けながらも中盤から「持ち出せる」ことが出来たのと比較すると、物足りない感じは残る。金澤はむしろ「持ち出す」ことは出来ても、「落ち着かせる」事が出来ない点で、佐藤に似る部分がある。まあ、こういう時期なので、相手とコンディションによって使い分ければ良い。少なくとも、それだけの戦力はある。
フッキ・ディエゴのラインを軸にしたカウンタースタイルを磨くというのは、方向性としてはそれなりに妥当だろう。もう少し気温が低く、かつもう少しラインを押し上げて維持できれば、ある程度ゲームをコントロールもしていけるだろう。両サイドハーフとボランチには運動量と賢さが求められるが、それも可能な範囲の話だ。
どのみち、楽なゲームは残っていない。あとは洗練と集中力の問題かと。

帰宅後、ラモスの御母堂の訃報に接する。彼の引退試合やテレビ番組などでお姿を拝見したことはあるが、急なことで大変に驚く。幼いときに父親を亡くし、「母に家を買ってあげたい」という思いで、若くして地球の裏側まで渡った男の事を想像すると、その心痛の深さは察するに余りある。その事実を選手に伝えずに試合に臨んだ事も、動揺や悲しみを押し殺して残る戦いへの決意を述べた事も、如何にも彼らしく、それ故に痛みが伝わってくる。

一サポーターとして、せめてもの声援と、心からの哀悼の意を捧げたいと思います。
シーズン後、墓前に良い報告が出来るよう、皆で結束して戦い抜きましょう。
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by eixeix | 2007-09-17 16:01 | サッカーとか。
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