京都に勝って、ラモスの続投も決まったらしいです。
どちらにもさっぱり驚かないのはなぜでしょうか。 ただ、いくつかハッキリさせておくべき点は、あるよなと思います。 過去の例を考えても、7連敗を喫した監督をそのままにしておくというのは、やはり尋常なこととは思えない。それも惜敗とか、運が悪いとかいうレベルではなく、1試合辺りの平均失点が3を越えるというような状況であって。 もちろん、戦術上の問題も、技術上の問題も、メンタルやフィジカルの問題もある。より細かいことを指摘していっても良い。どれだけ長くなるかは想像もつかないけれども、そりゃ十分過ぎるほどにある。ただ、勘違いしてはいけないのは、負けた試合で問題をあげつらうのはバカでも出来る(目の前で起きていることを表現するだけ)ということであって、そうした事実の列挙は、自分の中で現象を整理するには役立つが、「こうすれば解決できる」という指摘は、殆どの場合、中身がなく、役に立たない。なぜなら大半のサッカー選手は、ピッチ上で起きている現象の問題点など、気がついているに決まってるからだ。自分でフィールドに立っていて、その問題に気がついていないのは、よほどのアホウか平本一樹か、どちらかに決まっている。言っておくが、そうした人間は極めて貴重な人材であって、評価されこそすれ、決して非難してはいけない。 問題なのは、「繰り返されている」ことなのだ。敗因となるようなファクターが顕在化した場合、それは当然、解決されるべき課題と規定される。ところがこいつが、一向に改善されない。 通常、改善されないのであれば、「なぜ」という視点を持ち出して検討するのが普通なのであるが、ラモスの場合、「なぜだか分からん」とぶっちゃけてしまう。 しかし、もう一面として指摘する必要があるのは、こうした問題が「なぜ起こっているか」を述べることができる監督は(その内容が正しかろうが間違ってようが)いくらでも存在するが、「継続的に問題を修正することが出来る」監督は、世界中でもごくひと握りの存在であるという事実だ。そうでなければ、サー・アレックスやギ・ルーの存在も、モウリーニョの給料の金額も説明できない。 ただ、「なぜだか分からんけど、たまに治る」事があるのも事実である。まあ、京都戦の布陣は「守備の建て直し」が最優先なら、一番最初に取る選択肢に見えるが、それが一発でやれないのは、結局のところ、ラモスの脳内にしかない「サッカーの形」への摺りあわせ作業につき合わされているようなものだからだ。進化はしているが、進歩はしない。自分が環境に合わせることはするが、環境を自分の方に合わせようとはしない。(進化と進歩を当て嵌めたのは、便宜的なもので、深い意味はない) フロントの仕事は、つまり「ラモスが現時点で妥当な解決策ないし解決能力を有しているか」について評価を下すことであって、一歩踏み込めば、フロント自身の評価基準の明確化が必要になる。チームがなかなか勝てない、という状況は、大半の場合、指導者の「勝たせるためのアイデア」が枯渇していることを意味する。選手の入れ替えや精神的な部分で持ち直すことはあっても、枯渇してしまったものはどうしようもない。"才能なんてものは、金と同じで使えばなくなる"。つまり「彼にまだアイデアが残っているかどうか」を判断する「眼」がフロントには必要なのだが。 ラモス就任時に「強化の事実上のトップが加藤善之氏で大丈夫か。現場(ラモス)に対する押さえにはならないのではないか」という趣旨の事を言ったように思うが、いまだに以てその懸念は払拭されない。どのみち、編成委員会なんざ、プロコーチでもなければ、サッカーにひときわ詳しいわけでもないのだから。 じゃあなぜ「続投」なのかと言えば、それは他のファクターがあるのだ、ということだろう。 それが何か、想像はつくが、言う気もないし、言いたくもない。 どのみち、このクラブには、有象無象の柵が多すぎる。 が、今の状況は、単にラモスを「晒し者」にしているだけであって、これはラモスにとっても、チームにとっても、クラブにとっても、何ら益をもたらさない。サポーターにとっても、不信感が広まるだけで、ますますフロントに対する信頼感は低下するだろう。 それに加えて、次の対戦相手はアウェイで山形とだ。1度目の試合内容から考えれば、京都戦で得た自信など、ものの30分でズタズタにされる可能性はある。それも小さくない可能性で、だ。 で、そうした多層にわたる問題の解決策として「ラモス続投」で良いのか?というのは、誰もが考える。サポーターの誰一人として、この決定を不安に思わない人間はいないだろう。例えラモスのファンであったとしても、だ。ラモスは「大丈夫」と言うかも知れないが、見てるこっちにしてみれば、さすがにツライ。 サポーターの大半は「チームが勝てばOK」なのだから、監督が誰であろうが、結果さえ出れば良い、という話になる。が、結果の出ていない監督がそこに居続けてしまえば、サポーターは何によって不安を払拭すれば良いのか? 勝利?冗談だろう。開幕5試合負けなしだったチームが7連敗したのだ。たかだか3つや4つの連勝、いやそれが5つや6つになったとしても、不安感が払拭されたりはしまい。 そこに信頼関係はあるのか?という話になる。次に負けても、まだ監督を信頼できるのか?と。 奇跡を信じるのも必要なことだが、奇跡に頼るのは愚者のすることだ。 そこは肝に銘じていただきたい。 どのみち、続投は決まったんだから張り切ってやってください。 ジョークでも嫌味でもなく、心の底から応援してますから。 で、まあ、そんなことよりロッキー・ザ・ファイナル見てきたので、だいぶアツイです。脳内でテーマが鳴り止みません。しばらく浸ろうと思います。明日への活力になります。おすすめ。
by eixeix
| 2007-05-08 02:57
| サッカーとか。
|
ランド日記
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