働く働く
まだまだ忙しくはあるのですけど。
そろそろ開幕っすか。開幕っすね。

何となく、99年のことを思い出す。なぜかあの当時発売されたTシャツがまだ手元にあって、己の物持ちの良さを笑うわけだが。そこに書かれているメンバー、わずかに25名。2種登録だった平本らを除き、今はもう、誰もクラブに残ってない。
98年のオフ、ラモスが引退し、会社の体制変更に伴うリストラによって、カズ、柱谷といった選手たち、さらに数多くのユース出身選手たちがチームを解雇された。練習生を含め40人を越えていたチームから、半数以上が放出されたのである。レギュラー格だった土屋らの流出もあった。それは傍目で見れば、クラブの崩壊に近い状況だった。
やってきたのは高校サッカーの監督。メンバーを見ても、W杯の夢を目前で絶たれたキャプテン、代表歴はあるけど一線からは遠のいたベテランたち、3人合わせて給料1500万のブラジル人に、忘れられた天才、出番を失って神戸にレンタルされていた異能のボランチ。その後輩たちは経験2~3年目で経験も知名度もなきに等しく、ルーキーはと言えば、ひ弱なユース出に、DQN、160cm、大学生と、それに、デカイだけが取り柄の練習生上がり。補強といっても体重に問題を抱えたMFだの、解雇されたサイドバックだの。さらにはシーズン途中で代表経験のあるDFを放出して、レッズのサテライトから無名のFWを補強してるぐらい。
考えてみればヒドイ話であるな、と書き出してみて思うわけだが。

あの時見た、北澤豪の、その姿を思い出す。
その年、W杯出場を目前にして代表から切り落とされ、リーグ後半のチームはかつてないほど低迷し、オフには尊敬するベテランがチームから切られ、後輩たちの多くも放出され、自分の給料は半分になり、さらに他チームからのオファーも受けたと聞く。
彼は何故残ったのか、そこにあったものは何かなと。
自分の一生を左右するほどの決断だったと思うし、どちらをとっても苦悩があったと思うのだが、北澤がそれを表に出すことはなかったし、毅然と、淡々と、しかし情熱を持って、彼はクラブを率いる立場についた。そこから意外な変化があったな、とも思っていた。それ以前のチームにおいて、北澤はカズやラモスの下の「やんちゃな末っ子」であり、中心選手ではあっても、仲間を率いるタイプには思えなかったのだけれど、しかし彼はそのシーズン以降、チームの精神的支柱であり、ピッチに出れば鼓動しつづける、言わば「二重のハート」として君臨し、ヴェルディの歴史において、永遠の存在となった。
クラブが北澤のような選手を尊重し、また北澤自身がその実績とプレーによってクラブに対してプレゼンスを持っていたという見方もできるが、難しい状況であり、できることも限られていたからこそ、お互いに協調して進む方向を決めることが出来たという側面もあったかも知れない。ただ北澤という選手が、対外的にフロント(という言葉が指すもののあいまいさを、僕は余り好かないのだが)との関係を語ったことがほとんどないため、どのような関係だったのか知る術はないのだが。
クラブ、フロント、チーム、地域、サポーターといった要素は、個別に線でつながっていると言うよりは、むしろ重なった面のようなものだ、と僕は捉えている。抽象的な話で、上手く伝わらなければ申し訳ないのだが、要はその重なった面積が広いほど、クラブとして安定感があり、そのアイデンティティを具体化し、他からの親和性を高めるのでないか、と。ヴェルディというクラブを見ていると、まだそれぞれが互いの関係を線として捉えているか、ないしは個別の塊のように思っている気がする。この関係において、常にお互いの利害(という言い方が正しいかどうかはともかく)が必ずしも一致するわけではないし、結果が重視されるこの商売では、互いに批判を避けられないというのも事実である。だからこそ、単に「それぞれちゃんと仕事をする」だけではなく、やはり互いを重ねていくためにも、はっきりした目標設定やそのための手段の構築をし、そしてその方向性に収斂させるための媒介が必要となってくる。かつてそれは李国秀の示した理論と、北澤豪のパーソナリティであり、しかしそのあとに設定された松木監督という要素は、クラブの方向性を破壊する代わりに、結果論としてエジムンドという極めつけの媒介物を呼び寄せてしまった。それ以降のヴェルディは本質的な進化の方向性を見失い、山田卓也とアルディレスも、残念ながらクラブの方向性を決定付けるほどの媒介にはなり得なかった。今度はラモスがその媒介になりうるのだろうか。だとすれば、ピッチでの具現者は誰になるのか。

自分が99年の開幕前、何を考えていたかなーと思い出してみると、不安感よりは、どちらかと言えば期待感だったように思う。ただあの時は、練習も頻繁に見に行ってるヒマ学生だったから、練習内容についての実感はもっとあったし。今はどうだろう。今年まだほんの少ししかヴェルディを見てないわけで、どうにも評価のしようがなく、不安感もないが、期待感もない、というのは正直なところであって。
J2という未知の舞台、完成にはまだ遠いチーム。しかし、希望は捨てないでおこう。


昨日、汐留某所にて仕事の打ち合わせをしておりましたらば、偶然、この方にお会いしました。同じ場所で打ち合わせしてたのね・・・(笑)。ちょこっと挨拶程度にお話して、軽く握手いたしました。
みんな働いてます。僕も働きます。
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by eixeix | 2006-03-03 00:22 | サッカーとか。
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