パトリック・エムボマ 引退
FWパトリック・エムボマ選手現役引退のお知らせ

カメルーンの英雄が、ここ日本で、現役の最後を迎えたとのこと。
Jリーグが、色々な意味で節目を迎えているのだろうな、と感じる。

エムボマは、とても美しいテクニックと、獰猛なまでのフィジカルを併せ持っていて、それがまったく独特のリズムで融合された、これぞアフリカンというプレーは、楽しさと共に、少しの羨ましさを感じさせた。とても長い左足の、その膝下の柔らかさと、そこから振り出されるムチのようなしなやかさは、ボールに恐ろしいほどの破壊力を与えて、ゴールネットを突き破らんばかりに揺らした。それは、日本人がどれほど望んでも手に入れられないものだ。
ピッチ上では感情的になることも度々あったけれど、ピッチを離れるととても紳士的で、優しい目をした人だったことが思い出される。子供を大切にし、他の選手たちに分け隔てなく敬意を払う、男としての懐の深さがあった。
ヴェルディにいる間もヒザの怪我に悩まされていたようだけれども、それでも圧巻の、圧倒されるようなプレーを幾度も見ることが出来た。
テレビで海外のサッカーが自由に見られるようになったおかげで、僕らはとても贅沢になっていて、「凄い選手」というレベルのプレーヤーが、まるでそこら中にいるかのような錯覚に陥ってしまうこともあるけれど。
それでもエムボマが日本に初めて来た時に見せたあのプレーの数々を、僕らは今でも衝撃を持って受け止め、鮮やかな記憶とともに反芻することができる。
実は、それはとても幸せなことなのだと、もっと噛み締めて、実感するべきなのだろう。
炎天の三ツ沢で、あなたの放ったシュートが、ゴールへ向かって凄まじい弾道で襲い来る。僕は一瞬、首を縮めて、次の瞬間、ネットに突き刺さったボールに歓声を上げた。日立台のゴール裏で、山田の擦らしたヘディングにファーサイドでプッシュ。首位を決定付けるゴールを決めた瞬間、ゴール裏に向かって雄叫びを上げるあなたに、僕らは一斉に歓喜の歌を捧げた。
目の前で見たその光景を、とても、とても大切な思い出にして。
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by eixeix | 2005-05-17 03:30 | サッカーとか。
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