痛ましい話。
FC東京サポーターが東京Vクラブハウスに落書き

件の柱は、出待ちしてる若い娘さんとか兄ちゃんとかが、時々選手へのメッセージなどを落書きしていたとこであり、またあそこにあるベンチは、地元からメッセージ入りで寄贈されたものでもあり。
それまで柱にあった落書きをフロントが消したりしなかったのは、そこに善意を見た感謝の現れであったと思うし、それは例えば、グラウンド横の柵にある大量の落書きがそのままにされていたことともそうであるし。今でも柵を丹念に見ていくと、風化して掠れた文字で、ラモスやカズへの応援メッセージを見つけることが出来る。一時期なぞ、空き缶用のごみ箱にでっかく「石塚BOX」と書いてあったりとかな。
そういう諸々の状況を思い描くと、怒りというよりも、とても切ない、痛ましい気分になる。想像力の欠如というのは、大変な悲劇だ。特に他人への思いやりや敬意に欠ける人間というのは度し難い。むしろ哀れみすら感じる。
今だから言うが、東京に移転してしばらくした頃だったか、グランド横の照明塔の柱に、でっかく「川崎帰れ」だのと落書きした奴もいた。その他にもたまにチームに対する中傷文をグランドの柵や照明塔の柱などに書く奴はいたわけで、単に「他人の庭を汚す」というだけなら、これは初めての話ではない。まあ、物の道理が分からない若者はいつの世にもいるし、事にサッカーの応援なんぞということに血道を上げる輩の人数が増えれば、そうしたバカの絶対数が増えるのも仕方のないことだろう。それはそれで、許容しなければならんのが、この社会の辛いところだ。

FC東京側は、すでにやった奴の特定をしたそうだ。唐井さんは「彼らには謝罪、弁償してもらうのが常識」と言い、相変わらず、きちんとスジを通すという人だなと。
まあこんな言い方はアレかも知れないが、これを警察に任せてしまうと、未成年者の保護とかいうあたりで、実際のところ、被害者であるヴェルディ側には被疑者の情報が公開されなかったりする可能性もあるからな。それ自体は別に法律の問題だし、ここで是非を問うつもりもないが、「悪いことをしたなら謝る」というのは確かに常識の範疇の問題であって、法律で決めるようなことじゃない。どの程度の誠意がこもるかはともかく、ちゃんと謝罪するのはやった本人たちのためでもある。

落書きを消したFC東京U-15の選手たちにしたところで、彼らの責任ではないし、とても気の毒に思うのだが、それでも「一刻も早くキレイにするのがせめてもの償い」と考えたのだろうから、それはそれで、気持ちを汲むべきとは思う。今年からヴェルディの下部組織にはFC東京から来た育成スタッフが入っているし、彼らの気持ちも考えれば、これはずいぶんと心苦しい状況だったに違いない。

ただちょっと、FC東京のフロントは「過保護だな」と思わないでもない。まあフロントとサポーターの距離が近いクラブであるし、きちんと対応しようとした結果なのかも知れないので、そこは善意に解釈するべきなのかも知れないが、まずもって「本人たちに詫びを入れさせろ」とヴェルディ側に言わせてしまったのはいかがなものか。そろそろクラブとして、サポーターとの距離の取り方を見直す時期に来ているのではないか。

やった奴については、正直なところ、あまり感慨はなかったりする。先にも書いたが「度し難い」という気持ちだ。
ただ私自身は、FC東京サポーターやFC東京フロントの自浄作用だの統制能力だのといった部分についてはまったく期待していないし、そんなものが存在するとも思っていない。
だから、これから先もこの手の話は形を変えて起こると思ってるし、FC東京サポーターに不快な気分にさせられることもあるだろう。仕方ないので、そこは適当に折り合いをつけて、それなりに距離を取って、怒りはほどほどにして、現実として許容しておくしかないだろう。
報復はピッチの上で選手たちがしてくれる。それを信じるのが、サポーターではあるまいか。
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by eixeix | 2005-02-23 03:08 | サッカーとか。
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