天皇杯 05/1/1  (1) 早朝・残り雪・鮮やかなベレーザ
2005年 元日。

前日、首都圏を覆った雪模様も未明には止み、2005年の夜明けは快晴だった。
僕はクローゼットの奥深くにしまいこんでいた緑色のベンチコートを、本当に久しぶりに引っ張り出すと、人気のない早朝の電車に乗って、国立へと向かった。
8年間という長きに渡ってタイトルから遠ざかっていたヴェルディが、再び決勝の地へと戻ってきた。正しいガンヲタの態度としては、ここで一発、アナベル・ガトーのセリフでも引用すべきであろうし、正直、ネタとして考えたことも事実だが、ここは大人の理性を働かせておくことにする。
雪の残る国立の周辺に辿り着いたのが、朝の7時半ごろか。もうゴール裏の見慣れた面々はとっくに結集していて、緊張した面持ちもなく、なぜかシャンパンを開けたりしつつ、体を温めていた。少々時間が早いことを除けば、それはいつもの試合前の様子にも似ていたが、違うところがあったとすれば、合う人同士で「あけましておめでとうございます」と挨拶を交わすこと、そして握手する手にこもる力が、少しだけ強かったことぐらいか。

開門からなだれ込んだ席には、まだがっちりと雪が積もっていた。幕を張るのと平行して、自分の座り場所を除雪する。幸い、快晴の空からもたらされる日差しは暖かく、朝の寒さはあるものの、これならば試合中も大丈夫だろうと考える。

全日本女子サッカー選手権が10時にキックオフ。ベレーザ、タイトル奪還への挑戦。リーグ戦でわずか勝ち点1差、それも最多得点・最小失点にも関わらず、レイナスに女王の座を奪われた悔しさを秘めて、決戦の舞台へ。沢が復調を見せ、伊藤も復帰。戦力は万全だ。
普段からベレーザを応援し続けてきたVBに、ヴェルディのサポーターたちも加わって応援をしていた。対するレイナス側には、レッズの執念を持って赤いサポーターが多数陣取る。しかし、試合は意外なほどあっけない展開を見せた。出だしにレイナスの攻勢を受けたものの、これを跳ね返すと、開始2分には後方からのボールに鮮やかに抜け出した荒川が、1対1を冷静に決めて先制。畳み掛けるように、大野の鮮やかなロングシュートが決まる。長いボールを織り交ぜて、積極的に攻めたベレーザは、さらに大野がゴール前のこぼれ球を決め、3-0で前半を折り返した。後半、レイナスが反撃を開始。GK小野寺が見事なファインセーブを見せるなどの好守もあり、反撃をしのいでいたが、それでも1点を返されてしまう。ただ、途中交代で出場した小林弥生が、上手くボールを保持しながらゲームをコントロールし、流れを押し返すと、そのまま安定した試合運びで、3-1での勝利をものにした。
満面の笑み、喜びのパレード。荒川や中地らがおどけた様子でスタンドへと挨拶に来る。「女王らしい」試合運びを見せたタイトル奪還は、緑色のゴール裏に勇気と誇りを与えた。そして、幾ばくかのプレッシャーも。
しかし男子の決勝戦を前に、弾みがつく勝利。日は高くのぼる。決戦の時が近づく。
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by eixeix | 2005-01-14 01:28 | サッカーとか。
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