孤高のドリブラー 大宮へ
桜井直人選手移籍のお知らせ

桜井が大宮アルディージャへ移籍するという。ショックだったけれど、でもなんというか、とても桜井らしいな、と思った。

99年に、彼がヴェルディに来た時のことを、今でも鮮明に思い出す。テレビの端に映った「小さくてクイックなドリブラー」という微かな第一印象をもって、ランドのピッチで彼のプレーに対面したときのこと。
「これは、モノが違うな・・・」
異常に重心が低く、激しい加減速と恐ろしく繊細なタッチを織り交ぜた、美しいドリブル。
ちょっとムラっ気はあるが、縦に飛び出す抜群のスピードで敵陣を切り裂くアタック。
今でも思い出すのが、一人旅で向かった広島ビッグアーチの思い出。
前半を0-2のビハインドで折り返したヴェルディだったが、後半、桜井が鮮やかなドリブル突破で広島ディフェンス陣を切り裂いて、お得意のステップで2つのPKを獲得。林が決めて同点にすると、とどめは栗原への鮮やかなスルーパスでアシスト。たった一人で試合をひっくり返してしまったときのこと。
「ヴェルディを変える男が来た」、僕にそう思わせた、5年前のこと。
長く続いた怪我との戦い。ヒザの痛みに苦しみながら、それでもピッチに立てば、鮮やかにヴェルディを救ってくれたヒーロー。サポーターはみんな、無名のあなたが、日本一のドリブラーであると知っていた。だからこそ、みんながあなたのプレーを誇りに思った。あなたがボールを持てば、みんなが「行けー!」と叫んだ。

桜井はいつも言っていた。「僕は雑草だから」「プロだから、評価されるところでやる」。口はいつもとがってるように、ちょっと強がったような言葉が多かった。
コワモテで、短気で、ちょっとひねくれていて、だけど本当はとてもシャイで、子煩悩で、後輩に優しい人情の男。
J1に上がってきた地元・大宮で、キャリアの最後を戦おうというのか。天皇杯を勝ち抜く若い選手たちを見ながら、桜井なりに、きっと何か、次のステップが必要な時期が来たと思ったのか。詳しいことは分からないけれど、なんとなく、腑に落ちる気がする。

さようなら、「桜井さま」。あなたのキャリアが、良い旅であることを祈ります。
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by eixeix | 2005-01-13 16:43 | サッカーとか。
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